今回は、マイクロマネジメントについて解説します。このマイクロマネジメントは日本に蔓延るメジャーなパワハラの一つです。
- 完璧主義の上司に詰められるのが億劫だな…
- 何でもかんでも報告を強制されてやりにくいなぁ…
職場でこんな風に感じることがある人は、マイクロマネジメントというパワハラを受けているかもしれません。
しかし、このマイクロマネジメント、「受けている人」も「している人」も「周囲にいる人」も「パワハラ」と認識していないことが多いものです。
実際に私もマイクロマネジメントを受けていましたが、単純に上司と性が合わないだけだと思っていました。
私は、あまりに精神的にしんどくなったので、色々と調べているうちに「私が受けていた行為はマイクロマネジメントで、パワハラなんだ!」と気付きました。
自分の置かれた状態を把握することで幾分、気持ちが楽になりました。自分の置かれた状態が良く分からないと、人は漠然とした不安に襲われるものです。
皆さんもこの記事を読んで、自分の状況が「マイクロマネジメント」という「パワハラ」を受けていないか」確認してみてください。
原因が分かれば、対策・対処の打ちようがあります。
マイクロマネジメントされている場合の対処法についても紹介しますので、参考にしてほしいと思います。
定義:マイクロマネジメントとは?
マイクロマネジメントとは、部下のことを事細かに過剰に把握・管理するパワハラのことです。
マイクロマネージャーとは、部下のことを事細かに過剰に把握・管理する害悪なパワハラ上司のことです。
細かに気を配って、頻繁に進捗確認してくれるなら良い上司では?と思った人もいるかもしれません。しかし、何事もやりすぎはよくありません。
冷静に考えてみて下さい。
交際相手や結婚相手、家族からの発言が以下のようになったらどう感じますか?
「今日何時に帰れそう?」
→「今日は何処で、いつまで何をするの?誰かと会うの?その人との関係性は?」
「週末は何してたの?」
→「週末は何時に起きて、何処に行って、何をしてたの?それはなぜ?誰かと会ったの?何時に寝たの?どんなスケジュールだったの?」
怖いですよね?嫌ですよね?それが平日の毎日繰り返されると疲弊するのが普通です。
ほったらかし上司も困りものですが、過剰な管理型上司(マイクロマネジャー)はもっと最悪です。
具体例:どんな行為がマイクロマネジメント?
さて、どんな行為がマイクロマネジメントと言われるのでしょうか?
具体例は以下のような行為です。
- 部下の仕事内容、予定を頻繁に報告させる。
- 発言や報告内容で重箱の隅をつつく。
- やり方、考え方の多様性を基本的に認めない。
- 多くのメールでCCに入れることを要求する。
- 物事の決定については、必ず相談させる。
これは指導じゃないのか?そう感じることもあるでしょう。
上記の行為も適度な範囲であれば、指導と捉えることもできるかもしれません。
しかし、受け手が圧力を感じて、会社に行くのが億劫になった時点でこれは指導ではなくなります。
厳しい口調+高頻度で上記の行為が積み重なると精神的に参ってしまいます。
マイクロマネージャーの特徴
マイクロマネージャーの特徴は以下のようなものがあります。
- 細かいことにこだわる傾向がある。
- 結果よりもプロセスを重視する。
- コミュニケーション能力が低い。
- 不信感を持っている。
- プライドが高い。自分は仕事ができるという自負がすごい。
- 業務の進捗状況や作業内容を常に詳細にチェックしたがる。
- 部下のやり方に口出しし、自分の意見を押し付けようとする
- 部下に対して、定期的な報告や連絡を求めることが多い。
- 部下に対して、仕事の進め方や進捗状況について厳しい指摘をすることが多い。
マイクロマネージャーは完璧主義者で細部にまでこだわり、部下を制御・支配するスタイルで仕事を進めます。
基本的に自分のやり方を押し付け、部下に決定権を与えません。さらに、マイクロマネージャーは自己中心的で自分の成功のために部下を犠牲にすることもあります。
また、マイクロマネージャーはプロセスにこだわり、成果を出したとしても気に食わないやり方だと攻撃をしてきます。
彼らは部下と信頼関係を築くことはできず、部下の意見は尊重しません。
そして、コミュニケーション能力は低く、部下への情報共有は怠ります。自分は情報共有を強要するのにも関わらず、そのような振る舞いをします。
まだ、ほったらかし上司の方が幾分マシです。
ただ、このマイクロマネージャーは上層部から気に入られていることが多く、非常に厄介です。上層部に気に入られているからこそ、抑止力は働きません。マイクロマネジメントに終わりはありません。被害者が休職するか、退職するか、どちらかが異動するまで続きます。
マイクロマネジメントを受けるとどうなる?
マイクロマネジメントを受けるとストレスや不安感に苛まれる日々を過ごすことになります。
マイクロマネジメントは被害者の人格を否定され続けるようなマネジメント手法であるため、自分の自信を喪失して自己嫌悪に陥りやすく、ネガティブ思考に支配されてしまいます。
また、あらゆることを細かに管理されることから、その上司から常に監視されているような気分となり、精神衛生上、非常に悪い状態が続きます。
さらに、仕事の裁量を奪われ、自分のやり方を許容されない環境にされているので、創造性が低下し、自分で考えて仕事をすることができなくなります。仕事を進めるうえでの方針が「マイクロマネージャーに詰められないためにはどうしたらよいか?」この一点に集約することになります。どんどん仕事ができない人間へと染められてしまうのです。
強いストレスに晒されて、ネガティブ思考のまま仕事に取り組むこととなるので、仕事のパフォーマンスは下がります。当然、仕事のミスは増えます。
仕事のミスが増えるとマイクロマネジメントを食らう機会が増えます。
それによって、さらに仕事のパフォーマンスが下がります。
つまり、負の悪循環にハマってしまうわけです。
一度、悪循環にはまると中々、抜け出すことは難しくなってしまいます。これはマイクロマネジメントの被害が深刻になる最大の要因です。
マイクロマネージャーは完璧主義者なので、被害者の心身が不調で仕事のパフォーマンスが下がっても、自分の仕事上の欲求が満たされない状況であれば、攻撃の手は緩めません。これの厄介な所は、周囲から見ると厳しい指導をしているだけに見えてしまう点です。
何も対策を打たないと被害者の精神に限界がきて休職するか、異動するまで地獄が続きます。
対策:負のループから抜け出そう!
マイクロマネジメントの負のループに入ってしまうと抜けることは難しいのですが、奮起して抜け出せる可能性もゼロではありません。
対策は負のループに入っていても、早い段階ほど、うまくいきやすいです。
効果的な対策は下記のようなものがあります。できそうなものから手あたり次第に実践することがおすすめです。
- コミュニケーションを図る
- 成果物を提示する。
- アドバイスを求める。
- 報告、連絡、相談の頻度を増やす。
- 褒める。
- 感謝を述べる。
- 指示に従いまくる。
「コミュニケーションを図る」
マイクロマネージャーは嫌な上司そのものなので、顔も見たくないと感じる方も多いですが、これは効果的ではあります。
密にコミュニケーションを取っていて、仲良くなれば、必然的に風当たりはよくなります。好意的な人間には攻撃はしにくいものです。その心理を利用します。ただし、マイクロマネージャーが嫌な奴であるにも関わらず、仲良くならねばならないというハードルの高さがあります。
「成果物を提示する」
マイクロマネージャーはプロセスを重視することも多いですが、成果も重視しています。これだけ成果を上げていますと示すことによって、私に対して過度なマネジメントは不要ですよ。と察してもらうことが目的です。
マイクロマネージャーは自分のチーム(というより自分)の成果が上がって、周囲や上層部に誇示したい承認欲求の塊のため、成果物が多いと気分が良くなり、マイクロマネジメントが低減されます。
しかし、これもハードルは高いものです。マイクロマネジメントを受けている時点で仕事のパフォーマンスを下げられているので、仕事の成果物を多く提示することが難しい状況に陥っている人が大半なのではないでしょうか。
この対策はマイクロマネジメントの初期で、成果物が多い状況でのみ使える方法です。
「アドバイスを求める」
「報告、連絡、相談の頻度を増やす」
マイクロマネジメントをする人は自己承認欲求が強い人です。それゆえに、部下に頼られると気持ちよくなります。
アドバイスを求められたり、相談されるとプライドが高い人は満足気になり、攻撃が緩和されます。私も経験がありますが、これは非常に有効な手段です。
また、マイクロマネージャーは「不安」によってマイクロマネジメントに及んでいる側面があります。
自分が知らないことが不安で不安で仕方がない臆病な人種なのです。不安を解消してあげることでマイクロマネジメントというパワハラを防ぐことが可能です。すなわち、報告と連絡の頻度を増やすことで彼らの不安を取り除くことができるということです。
嫌な上司と高頻度で話さなくてはならないというデメリットを除けば、これらの対策は、成果物がなくても実践できる優れものです。
「褒める」
「感謝を述べる」
これらは、ごまをすって、相手の好感度を上げることでマイクロマネジメントの被害を低減する方法です。
繰り返しですが、マイクロマネージャーは自己承認欲求の塊です。褒められたり、感謝されたりすることに飢えています。
嫌な人間の良いところは、そうそう見つかるものではありませんが、試しに実践することにリスクはありませんし、手間もかかりませんので、ぜひ、やってみましょう。
「指示に従いまくる」
マイクロマネジメントは自分のやり方を相手に押し付け、支配することです。徹底的に従順になれば、攻撃されることはありません。
思考停止で操り人形になる覚悟があれば、このような方法でも乗り切ることはできるでしょう。
奥の手:小手先の対策が無理なときは…
自分の行動様式を変える小手先の対策でどうにもならないときは下記のような対策に移行することがおすすめです。
- 異動を願い出る
- 休職する
- 転職する
「異動を願い出る」
定期的に異動希望を出すことができる会社に勤めている人は異動希望を出しましょう。空きがあれば異動できるでしょう。限界が近ければ、XXに異動したいではなく、どこでもいいから今の部署を異動したいと意思表示をしましょう。
異動の意思表示をしている人は士気が下がっている状態ですから、長く部署に置いておくメリットはありません。あなたに適性がある部署が他にあれば、比較的早く異動させてもらえるかもしれません。
ただし、こればかりは受け入れ先部署の事情であったり、あなたが抜けると今の部署が回らない等の状態があれば、なかなか部署異動させてもらえない可能性もあります。
それにあなたが部署異動を希望するということは、今の部署の他の人も部署異動希望を出している可能性も十分あるのではないでしょうか。出たい人が多くいれば、その分、部署異動できる可能性は下がってしまいます。
余裕があれば、定期的な人事異動希望だけでよいでしょうが、この記事を読んでいる時点で限界が近い人も多いでしょう。
上司の上司や人事に相談することも視野に入れて下さい。
「休職する」
もう会社に行けない日も出てくるほど体調不良になっている人は、診断書を取って休職することも選択肢にしてください。
休むことも大切です。無理しないでください。あなたは悪くありません。
あなたを追い込んだマイクロマネージャーが悪いと割り切って、休職に向けて動きましょう。
「転職する」
人事異動できる気もしない。休職もしたくない。そんな方は転職も立派な選択肢となります。前者の2つより確実にパワハラから逃げられるので、私としては、積極的にお勧めしたいです。
転職と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、近年は転職する人が増えており、当たり前になっています。
むしろパワハラが蔓延る会社とおさらばできる良い機会。それくらい前向きに捉えて動いてほしいとさえ思います。
残れば残るほど、パワハラの餌食になるものです。
転職サイトへの登録をしておくだけでも精神的に楽になりますので、登録だけでもしておくことが絶対におすすめです。
登録だけならばリスクもありませんし、すぐに動かないにしても、いざ動かねばならないときの備えにもなります。ぜひ、登録だけもすぐにしてしまいましょう。小難しい職務経歴などは後々仕上げればOKです。
すぐに行動を起こすことが自分を救います。様々な対策を挙げましたが、転職が一番、あらゆるパワハラに対する特効薬です。私も経験したからこそ、自信をもってお勧めできます。リンクも貼っておきますので、この記事を読んだことを良い機会と思って、登録に動いてみてください。
世界が変わります。と言っても過言ではありません。逃げ路を作っておくことはそれほど偉大なことなのです。
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